小学生レベルの単語なのに難しい!?身に着けたいイディオム3選

2022/07/09 英語学習情報
小学生レベルの単語なのに難しい!?身に着けたいイディオム3選

2020年から、小学校での英語教育が必修となったのは記憶に新しいですよね。文部科学省の資料によれば、小学生のうちに習う単語は「600語~700語*」だそうです。

 

*参考:外国語教育の抜本的強化のイメージ
https://www.kyokyo-u.ac.jp/eibun/andrew/classes/wecan.pdf

 

TOEIC800点を目指す場合に必要な語数は「8000語」と言われていることを考えると、この「600語~700語」というのは、とても少なく見えます。

しかしながら、この小学生レベルの単語というのが、非常に厄介なのです。私自身、TOEIC満点を取ってからも、海外の人と会話するときに何に苦労しているかというと、こういった「小学校で習うシンプルな単語で構成されるイディオム表現」なのです。

get, come, live・・・こういった単語は、on、byなどの前置詞と組み合わされることで、とても多彩な意味をもつイディオムに変貌します。そして、それらは日常会話でも非常によく使われるので、 一つでも多く、こういったイディオムの意味を知っているか知っていないか、が、外国人との会話にどれだけついていけるかを左右するといっても、過言ではありません。

 

そこで今回は、私が実際にネイティブと話している中で出会った、小学生レベルの単語で構成されるイディオムを、3つ、ご紹介したいと思います。

各表現の紹介では、例文もたっぷりとご紹介します。イディオムの中には、難しい単語は一切出てきませんので、今日もぜひ、肩の力を抜いてリラックスして、楽しんで学んでいきましょう!

 

目次

.  get by 「なんとかやっていく」

.  full-on 「とても素晴らしい」「激しい・熱狂的な」

.  live off 「~に依存してして生きる」「~を頼りにして生きる」

 

.  get by 「なんとかやっていく」

まず、最初にご紹介する表現は、get by です。「なんとかやっていく」と訳すとわかりやすいのですが、もう少し細かいニュアンスをお伝えすると、困難な状況の中で、お金や知識などをギリギリ、その状況を乗り越える分だけ持っているという意味になります。

 

前置詞の「on」や「 with」と一緒に使われることも多く、そのときには、持ち合わせているもの(お金など)があとに続きます。ではさっそく例文を見ていきましょう。

 

How can he get by on so little money?
どうしてこんなに少ないお金でやっていけるのでしょう?

出典:GET BY | meaning in the Cambridge English Dictionary

 

 

We can get by with four computers at the moment, but we’ll need a couple more when the new staff arrive.

今はパソコンが4台あるから大丈夫だけど、新しいスタッフが来たら、もう2台くらい必要になるね。

出典:GET BY | meaning in the Cambridge English Dictionary

 

 

My arithmetic isn’t very good, but I get by.

私は算数が苦手ですが、何とかやっています。

出典:https://www.macmillandictionary.com/dictionary/british/get-by

 

 

 

A: I finally landed a job from company X.

B: Wow, very prestigious company to be going. They get by on reputation alone sometimes, I think.

A:やっとX社から就職が決まったんだ。

B: うわー、とても有名な会社だよね。彼らは時々、(その高い)評判だけでやっていると思うんだ。

 

 

 

.  full-on 「とても素晴らしい」「激しい・熱狂的な」

次にご紹介する表現は、full-onです。大きく二つ意味があり、一つ目は「とても素晴らしい」です。例えば、ラグジュアリーなサービスを表現するのに使われたりします。

 

二つ目のfull-on の意味は「激しい・熱狂的な」で、例えば、参加したパーティーがとっても激しかった、みたいな感想を話したいときに便利な表現です。

 

覚え方としては、スイッチがたくさんあって、それが全て(full) オンになっている (on)、というところから、高い質や、激しい感じ、熱狂的な雰囲気をイメージしていただくとよいかもしれません。

 

full-onは口語的な表現で、会話でよく耳にします。ではさっそく例文を見ていきましょう。

 

We offer full-on services.

私たちは充実した(素晴らしい)サービスを提供しております。

 

 

A: How was your trip, John?

B: We were up at 5am every day to get as much sightseeing done as possible. It was so full-on. I feel like I need another holiday.

A:ジョン、旅はどうだった?

B:できるだけたくさん観光をしたくて、毎日朝5時に起きていたんだ。激しかったよ(密度が濃く充実していたよ)。もう一回休みが欲しい気分さ。

出典:BBC Learning English – The English We Speak / Full-on

 

 

 

I really don’t like children’s parties. All those excited, screaming kids. It’s too full-on.

私は子供のパーティーが本当に嫌いなんです。子供たちが興奮して、叫んでいるでしょう。もう、激しすぎるんです(だから嫌なんだ)。

出典:BBC Learning English – The English We Speak / Full-on

 

 

London’s too full-on. I need to move to the countryside.

ロンドンは熱気がありすぎる(忙しい)んだよね。 田舎に引っ越したいな。

出典:BBC Learning English – The English We Speak / Full-on

 

 

ちなみに、full-onの1つ目の意味である「素晴らしい」と似た表現に、「with all the bells and whistles」というイディオムがあります。

 

ベル(bells) や whistles (笛)は、「豪華な装飾」の比喩になっていて、意味としては「より多くの消費者を惹きつけるために、製品などに追加で加えられる特別な機能」を指します。例文をご紹介します。

 

Manufacturers still build luxury cars with all the bells and whistles.

メーカーは今でも、あらゆる装飾を施した高級車を製造しています。

出典:https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/bells-and-whistles

 

 

 

.  live off 「~に依存してして生きる」「~を頼りにして生きる」

最後にご紹介する表現は live off「~に依存して生きる」「~を頼りにして生きる」です。ここで、依存する or 頼る対象というのは、人の場合もあれば、物の場合もあります。

 

例えば、live off + someone というように「人」と組み合わせて使う形では、「収入源などとして誰かに依存する」という意味になります。例文を見ていきましょう。

 

If you think you’re going to live off me for the rest of your life, you’re mistaken.

一生、私に頼って生きていけると思ったら大間違いだ。

出典:LIVE OFF | Meaning & Definition for UK English | Lexico.com

 

 

live off + something というように、モノと組み合わせて使う形では「生活に必要な収入源として、~に頼って生きる」といった意味になります。例文を見ていきましょう。

We lived off his monthly income of $986, plus housing allowance, for a few months before I got a part-time job.

私がアルバイトをするまでの数ヶ月間、彼の月収986ドルと住宅手当で生活していました

 

 

なお、「live off + 食べ物 」と表現された場合は、その特定の食べ物を常食とする(日々食べる)という意味も表します。

 

We’ve been here two days living off food we find.

ここに来て2日は、拾った食料を食べて暮らしています

出典:LIVE OFF | Meaning & Definition for UK English | Lexico.com

 

 

Scavenging seabirds live off discarded fish and fish offal.

海鳥は廃棄された魚や魚の内臓を常食として生きています

出典:LIVE OFF | Meaning & Definition for UK English | Lexico.com

 

 

さて今回は、小学生レベルの単語で構成されるイディオムを3つ、ご紹介しました。もともとご存じのものはありましたか?

今後も、シンプルな単語を使ったイディオム表現をたくさんご紹介していく予定です。ぜひ、ボキャブラリーを増やして、海外の人との英会話を楽しみましょう!

 

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