初めて海外セミナー・学会に参加する人に伝えたいアドバイス4選
コロナの流行が始まってから約2年半。
いま、ビジネス出張を取り巻く環境は少しずつ変化してきています。
コロナが始まった直後からつい最近までは、海外の学会・セミナーはオンライン参加が当たり前になっていました。しかし、国内外の隔離規制が緩められたのに伴い、最近は日本人が実際に現地に足を運び、学会・セミナーに参加するケースが増えてきました。
私の職場でも、来週ヨーロッパにいってくる、という話を前よりも頻繁に耳にするようになりました。
社員を海外出張に送り出す、というのは、本当に膨大なお金がかかりますよね。
それだけのお金を会社に払ってもらうのだから、少しでもいいアウトプットを出したいと思われる方は多いと思います。
そこで今回は私がこれまでの経験の中で感じた、海外ビジネスセミナー・学会への参加を成功に導くためのアドバイスを4つ厳選してご紹介したいと思います。
最後まで読んでみていただければ嬉しいです。
目次
1. コーヒーブレイクほど重要な時間はない
2. 日本に関する最新情報を武器に、話の輪に飛びこめ!
3. 失敗を恐れず質問しよう
4. 出張報告に使いたいスライドは写真をとっておくと便利
1.コーヒーブレイクほど重要な時間はない
これまで参加されたことのある方はご存知だと思いますが、海外のセミナーや学会では必ずと言っていいほど「コーヒーブレイク」という時間がスケジュールの中に組み込まれています。
朝のセミナー開始前や、発表と発表の間などのタイミングで、コーヒーや紅茶、簡単なお茶菓子が用意されたスペースが準備され、そこで参加者同士がコミュニケーションを取れるというものです。
コーヒーブレイクの時間は、およそ15分から30分位であることが多いのですが、この短い時間をいかに活用できるかが、出張の成果を大きく左右するといっても過言ではないと言うことを、ここで強調したいと思います。
具体例でご説明しますね。思い返せば社会人2年目のとき、私は人生で初めて、海外セミナーに参加しました。セミナー初日の最初のコーヒーブレイクで、他の参加者同士が話に盛り上がっている中、私は英語に自信がないこともあって、彼らの横でコーヒーをひとり静かにすすっているという、なんとも残念な時間の使いかたをしていました。
しかしその日の夜、ホテルの部屋に戻って心から反省しました。もっとあの時間を有効に使わなければ、と決心した私は、翌日からスイッチを切り替え、勇気を出してコーヒーブレイクのたび他の参加者に積極的に話しかけるようになりました。
名刺交換をしながら、セミナーの感想などを議題に、たくさんの参加者と話しました。会話時間は、1人あたり5分にも満たなかったと思います。でも、その数分話しただけで生まれたつながりが、その後大きく仕事で役立つことになりました。
というのも日本に戻ってから、セミナーで会った参加者の所属する会社に訪問したいという日本のお客さんが現れたのです。そこで私は名刺交換した相手にメールして相談したところ、快く日本からの訪問を受け入れてくれることになりました。
なかなか日本では、きっちりと「コーヒーブレイクタイム」を設けて初対面の人と情報交換をするという機会がありません。そのため誰でもそのような場に身をおくと、最初は緊張してしまうと思います。
でも、セミナー・学会発表のプレゼンを一言一句聞き漏らさないで帰国するよりも、むしろこの15~30分のコーヒーブレイクで人的ネットワークを広げる方が重要であることが多いです。ぜひ積極的にほかの参加者に話しかけることにチャレンジしてみてください。
2.日本に関する最新情報を武器に、話の輪に飛びこめ!
先ほどコーヒーブレイクの重要性についてお話しましたが、こう話すと「じゃあどんなことを話題にあげればいいんだろうか」と悩んでしまう方も多いと思います。
そんなあなたに、これまでの私の経験からオススメしたいのは「日本に関する最新情報を武器に話す」ということです。
特にアジアではなく、ヨーロッパやアメリカの学会セミナーに参加すると、自分以外の参加者に日本人がいない、ということはよく起こります。
この状況で、あなたの強みは何でしょう?
それは、日本に関する最新情報を提供できる、ということです。他の参加者にはそれが難しいからです。
このため、学会やセミナーのテーマに関連した日本の最新情報は、なるべく出発の前に頭にインプットしておき、簡単に説明できるように準備しておくと良いでしょう。
多くの場合、参加者との会話で日本の話をするととても興味深く聞いてくれます。ただし注意しておきたいのは、少し日本のことを紹介すると、より突っ込んだ質問、特に数字に関する質問もされる可能性がある、ということです。
例えば日本の高齢化に関する最新状況を話すと、「平均寿命は何パーセントくらい伸びてきているの?」と聞かれたりします。こういった質問が飛んできても、大体の数字をすぐ答えられるよう、情報をストックする際は数字も一緒に覚えておくとよいでしょう。これは海外セミナーや学会に限らず、外国人と話すとき全般に言えるアドバイスです。
3.失敗を恐れず質問しよう
私は海外のセミナーや学会に参加した時、最低でも一回は発表に対して質問するようにしているんですが、実はこれまでほかの日本人参加者の方が手を挙げて質問しているところを見たことがありません。
確かに、プレゼンの最後で質問するというのは、非常に勇気の要ることです。しかし質問をするということは、あなたにとっても会社にとってもメリットしかありません。プレゼンを聞きながら、質問したい内容を英単語レベルでメモしておき、それをちらっと見ながら堂々と、質問しましょう!
どうしても緊張してしまうということであれば、発表の後のコーヒーブレイクや、ランチの時間に、発表者のところに行って、一対一で話を聞いてみるのもよいでしょう。
「質問する」というのは本当に重要なことですが、多くの日本人ができないことなので、ぜひ挑戦してください。応援しています。
4.出張報告に使いたいスライドは写真をとっておくと便利
最後は少し実用的なアドバイスを1つ、ご紹介しますね。
学会・セミナーによっては禁止されていることもあるのですが、多くの場合、発表中にスライドは写真撮影をすることができます(もちろん無音カメラにしましょう)。
このことは知っておくととても便利です。
というのも、セミナーや学会の主催者からは「事後に発表者のスライドは送りますよ」と言われることが多いんですが、実際それが届くのがセミナー終了の2~3週間後というこというのはよくある話なんです。
さらにすべての発表者のスライドがもらえる、とも限りません。届いたスライドデータが一部だけの発表者だったこともこれまで何度もあります。
出張報告は鮮度が命。帰りの飛行機でできれば速報版は書き上げておきたいところですよね。また、大事な情報は漏らさず正確に記載したいところです。
これをふまえると、出張報告で使いたい図だけでも、セミナーの発表中に写真を撮っておくと便利でしょう。
重要な情報を取りこぼさず、ビジュアル的にも見やすい報告が書ければ、会社にも喜ばれ、また次の出張のチャンスが巡ってきますよ。
私もその連鎖で毎年1~2回、コンスタントに海外出張に行かせてもらう機会をもらいました。ぜひ、発表中に見つけた重要な図や内容は、シャッターチャンスを逃さないようにしてください。
さて、今回は初めて海外のセミナーや学会に参加する人に向けてアドバイスを4つご紹介させていただきました。いかがでしたでしょうか?
もっともっと多くの日本人が海外の舞台で活躍するために、この記事が少しでもお役に立てば嬉しく思います。
なおステップフォワードでは海外の出張を控えた方向けのサービスを幅広く準備し、無料体験レッスンも行っています。
ぜひオンラインレッスンをはじめてみることを検討してみてはいかがでしょうか。