ミドルネームって、何のためにあるの?イギリス人に聞いてみた

2022/06/25 スタッフブログ
ミドルネームって、何のためにあるの?イギリス人に聞いてみた

日本にはないけれど、海外には存在する、興味深い文化の一つに「ミドルネーム」があります。 ミドルネームとは、姓(Family name) と名(First name) の中間に位置する名前ですね。一度は、目にしたことがある方も多いと思います。

みなさんは、このミドルネームがどうやって名付けられ、どんなときに使われているのか、知っていますか?

わたしは先日、イギリス人とミドルネームについて話す機会があったのですが、聞けば聞くほどおもしろい事実をたくさん発見しました。そこで今回は、あまり普段意識することのない「ミドルネーム」をテーマに、お話したいと思います。

イギリス人が、会話で説明している実際の文章と、その日本語訳も合わせてご紹介しますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

 

目次

1.発見:イギリス人のほとんどがミドルネームを持っている 

2.発見:ミドルネームがある理由は、名前を1つだけ選ぶのが難しいから!?

3.発見:ファーストネームとミドルネームをこんな風に使い分ける人も

4. 「名前」をテーマに、海外の人と話してみよう!

1.発見  イギリス人のほとんどがミドルネームを持っている 


日本以外の多くの国で、ミドルネームの文化が存在していると言われています。一方で、 ミドルネームをつけること自体は選択制であることも多く、実際にどの程度、ミドルネームの慣習が浸透しているのかは、国によって大きく異なるようです。

 

ではイギリスの場合はどうなんでしょう?

 

様々な国の文化を発信する活動を行っているCultural Atlasの解説によると、イギリスではほとんどの人が、1つまたは2つのミドルネームを持っているそうです(例. Emily Claire Taylor なら Claire がミドルネームとなる)。

 

Many British also have a ‘middle name’, which is a secondary given name (親からつけてもらう名前 written between the person’s first name and their family name. For example, Emily Claire TAYLOR’s middle name is ‘Claire’. Middle names are optional (選択制) and are rarely used (めったに使われない) in daily life. However, most British have one or multiple.

出典:British conversation- Naming Culture. The Cultural Atlas. Retrieved from

British Culture — Cultural Atlas (sbs.com.au)

 

実際、私がミドルネームについて議論したイギリス人も、William というミドルネームをもっていました。

 

.   発見 ミドルネームがある理由は、名前を1つだけ選ぶのが難しいから!?


多くのイギリス人がミドルネームを持っている、というところまでわかったところで、次はどうしてミドルネームが存在するのか、そしてどんなふうに名付けられているのか、についてみていきます。

話をしたイギリス人に何でミドルネームなんて存在するの?と聞いてみると、次のように教えてくれました。

 

People struggle to choose one.

「名前を1つだけ選ぶ、というのが難しいんだよ」

 

この理由には思わずびっくりして笑ってしまいましたが、よくよく話を聞いてみると、だんだんとその背景がわかってきた気がしました。

 

I think in some cases, the first name is the name they want you to call and then the middle name maybe has some significance (重要性を持つ). Maybe it’s a very dear friend (とても親しい友達) of yours or somebody else. The name of a very good friend of mine.

「だいたいの場合、ファーストネームっていうのは、みんなが呼んでほしい名前で、ミドルネームは、(普段は使われないんだけど)何らかの意味をおそらく持っているものなんだ。(ミドルネームは)あなたや他の誰かにとって、とても大事な友人のことを意味する場合もあったりするんだよ。大親友の名前、とかね。」

For example, my middle name is William. My father’s real name is Wilson Williams.

「たとえば、僕のミドルネームはウィリアムなんだけど、父の本名は、ウィルソン・ウィリアムなんだ。ウィリアムというのは、祖父の親しい友人の一人の名前であり、祖父は彼を思い出したかったので、息子(話しているイギリス人の父親)(のミドルネーム)にウィリアムと名付けたんだよ。」

 

とても興味深いお話でした。ここからわかることは、誰か大切な人のことをずっと忘れないために、その人の名前をミドルネームとしてつけることがあるということ。そして親から子へ、そのミドルネームが受け継がれていくことがあるということです。

 

考えてみれば、日本でも、恩師や大切な友人の名前の一部を引き継いで命名することは、よくありますよね。日本の場合、英語と違って、名前に漢字が使えるので、例えば名前の1文字目の漢字に、大切な人の名前の一部を選ぶ、といったことができます。

 

一方で英語の場合、名前の一部をとるということは、ちょっと難しい。だから、ミドルネームという、3つめの名前のスペースが必要なのかもしれません。「1つだけに名前を選べない」とき、つまり、1つの名前以上の意味をこめて命名したい時の手段として、ミドルネームが使われているのか、と気づきました。

 

3.発見:ファーストネームとミドルネームをこんな風に使い分ける人も

ミドルネームの必要性はなんとなく理解できましたが、呼ばれる名称が三種類あるって、やっぱりややこしくない?という思いは消えません。そこで、イギリス人に、実際どんな風にファーストネームとミドルネームが使い分けられているのか、聞いてみました。

 

Normally, the middle name— people don’t really use it that much. Sometimes when you grow up, and you don’t like your first name, you can choose to go by your second name (ミドルネーム). You can just tell people that your name is your middle name. For example, I could say ‘please call me William’.

「通常、ミドルネームはあまり使用されないんだ。だけど大人になって、自分の名前が気に入らない場合は、2番目の名前(ミドルネーム)で行く(メインにする)ことも選択できるよ。シンプルに、自分のミドルネームを自分の名前として伝えればいいんだ。例えば僕の場合、ウィリアム(ミドルネーム)と呼んでください、と言えばいいんだ。」

 

なるほど、ファーストネームとミドルネーム、自分の好きな方で自己紹介して、呼んでもらえばいいわけですね。とってもシンプルです。中には、こんな風に使い分けている人もいるようです。

 

I have a friend named Steven Daniel and everyone calls him Dun.

「友人にスティーブン・ダニエル(スティーブンがファーストネーム、ダニエルがミドルネーム)というのがいるんだけど、みんな、彼をダン(ミドルネームであるダニエルの愛称)と呼んでいるんだ。」

 

But he told me that because his formal name is Steven, everyone at work calls him Steven.

「でも彼によると、正式な名前(ファーストネーム)はスティーブンなので、職場の人はみんな彼をスティーブンと呼んでいるんだって。」

 

In the work environment people call him Steven but all of his friends and his family call him Dun.

「彼の場合、職場環境では、スティーブン(ファーストネーム)と呼ばれるけど、彼の友人や家族はみんな彼をダン(ミドルネーム)と呼んでいるんだよ。」

 

とてもおもしろい文化だと思いました。日本のあだ名に近いような気もしましたが、ミドルネームは本名の一部なので、あだ名とはまたちょっと違う。こんなディープな世界が、名前というトピックに隠されていたんですね!

 

4. 「名前」をテーマに、海外の人と話してみよう!


さて、今回はミドルネームについて見ていきましたが、ミドルネームにとどまらず、名前に関する慣習というのは国ごとに本当に多種多様で、おもしろいものです。外国人との会話で盛り上がるトピックの一つであることは間違いないでしょう。

 

皆さんもぜひ日々のオンライン英会話などで、名前をテーマに挙げて、新たな発見をしてみてはいかがでしょうか?日本ではどんな風に名前が扱われているのか紹介したら、みんな興味深く聞いてくれること間違いなしですよ!

 

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