海外の結婚手続きって日本とどう違うの?イギリス人と話してみた
みなさんは、海外と日本で結婚の手続きがどんなふうに異なるのか調べてみたことはありますか?
私事ながら、筆者は最近日本で(日本人と)入籍したのですが、市役所への婚姻届の提出や姓の変更手続きなどを経験するなかで「いったい海外ではどんなプロセスでこのような手続きが進むんだろう?」と疑問がわいてきました。
そこで知り合いのイギリス人と話してみたところ、いろいろと興味深い事実が判明しました。
そこで今回は、「海外の結婚手続き」というテーマで、イギリスを中心にフランスやポーランドの事例も交えながら、記事をお届けしたいと思います。いつも通り英語表現のご紹介も交えておりますので、ぜひ一緒に楽しく学んでいきましょう!
目次
1.2つのタイプから選べるイギリスの結婚式
2.役所でちょっとしたセレモニーができちゃう!?
3.女性が結婚で改姓する割合は、イギリスでもまだ高い
1.2つのタイプから選べるイギリスの結婚式
日本では、法律上の結婚手続きを行うためには必ず役所に出向いて婚姻届を提出する必要がありますよね。この日本のスタイルは、知り合いによればポーランドやフランスでも同じということです。
一方イギリスで法的に結婚する場合、カップルは宗教的な式か、それとも民法上の式かを選ぶことができます(ただしスコットランドは異なります)。前者は英語で Chuch weddingと呼ばれ、教会で実施される一方、後者は Civil ceremony と呼ばれ、役所でとりおこなわれます。どちらを選んだとしても、法律的に結婚が認められます。
つまりイギリスでは、(宗教的な式を選べば)教会という空間で、法律上の結婚手続きが可能なんですね!
どうして教会で法律的な手続きまでできてしまうのか尋ねてみたところ、以下のような答えが返ってきました。
In the UK, the queen is not only the head of state but also the head of the Church of England. So you can get married legally in a church in the UK. The kings and queens have the power to say that in church, you can sign all the documents legally.
「イギリスでは、女王は国家元首であるだけでなく、英国国教会の元首でもあります。ですから、イギリスでは教会で合法的に結婚式を挙げることができるのです。王と女王は、教会ではすべての書類に合法的に署名してよいという権限を持っていますからね。」
When the ceremony is halfway through, couples go to the back of the church and they sign the documents and that’s completely legal.
「式が半分終わったところで、カップルは教会の後ろに行き、書類にサインをするのですが、これは完全に合法です。」
とてもユニークな仕組みだと思いました。
なおカップルが、宗教的なものと民法上のもの、どちらのタイプの式を選ぶかは、彼らの宗教にかかわってきます。民法上の式の場合、式の中で「神」についての言及はありません。一方宗教的な式では、神を証人として迎えることを基本としています。
参考:the Wedding secret magazine
https://www.theweddingsecret.co.uk/magazine/should-i-get-married-in-a-church-or-have-a-civil-ceremony/
実際、両者の比率は、いまどうなっているんでしょう?1995年の調査では、約60%のイギリス結婚式が宗教的な式で行われているという結果でしたが、最近ではトレンドが逆転し、2012年の統計では7割の結婚が民法上の式だったということです。
もし民法上の式なら、以下のような流れになります。日本と似ていますね。
You’d have to get married legally first. You will just go to the town hall and have a civil wedding. Some of them will then have a party afterwards somewhere else.
「まず法律的に結婚する必要がありますね。役所に行って市民結婚式を挙げるだけです。その後、どこかでパーティーをする人もいます。」
2.役所でちょっとしたセレモニーができちゃう!?
民法上の式を選んだ場合、役場で手続きを行うことになりますが、イギリスではそこでちょっとしたセレモニーを行うことができます。
日本では、役所への婚姻届提出はとても役所的な手続きなので、何だかうらやましいですね!
イギリス人の民法上の式について、知り合いは以下のように話してくれました。
Some town halls are quite old buildings. And sometimes you’re gonna have the marriage ceremony in a small room and it’s quite nice. Some rooms are quite big- I think there are seats for maybe 40 people or something like that. So yeah, if you want to have a big ceremony you can. You can’t stay there. It’s maybe half an hour and writing a certificate and then you leave and you go somewhere else for a party.
「町役場は、かなり古い建物もあります。小さな部屋などで結婚の儀式をすることもあり、それはとても素敵なことです。40人くらいは座れそうな大きな部屋もあります。そうそう、盛大に式を挙げようと思えばできるんです。泊まれないけどね。30分くらいで証明書を書いて、それからどこかに行ってパーティーをするんですよ。」
3.女性が結婚で改姓する割合は、イギリスでもまだ高い
日本の場合、女性は結婚すると改姓手続きに追われるわけですが、イギリスではどうなんでしょうか?
イギリスの場合、好きな姓を選ぶことができるものの、いまのところは、夫の姓に改姓する女性が多いということです。改姓すれば当然、パスポートなど様々な変更手続きが必要になるのも日本と同じということでした。
ここで押さえておきたい表現が、maiden name です。女性の旧姓を意味します。例えば旅行などで旧姓と新姓を説明する必要が出てきた際に、必要になるかもしれませんので、頭の片隅に置いてみてくださいね。なお、新姓は married name といいます。
さて、今回はイギリスの事例を中心に、海外と、日本の結婚の手続きの違いについてご紹介してみました。国によって、大きく制度が異なる「結婚」というテーマは、海外の人と話す時に盛り上がるテーマの一つだと思います。ぜひ、みなさんも英会話で結婚制度について話してみてはいかがでしょうか?
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