ボキャブラリーが飛躍的にアップする「心構え」と具体的なアクション3選
英単語は「暗記」するものだと思っていませんか?
あなたが学校の定期テストや資格試験に向けて短期的な対策をしているのであれば、たしかにその通りです。暗記は有効な方法です。
しかしもし、あなたが英語を「長期的に」習得していきたいのであれば、暗記だけで語彙力を上げるのはあまりおすすめしません。意識的に「暗記する」という行為は(よほど根気があって暗記が好きな人でない限り)持続可能ではないからです。
今日は、独学で英語を学び現在ケンブリッジ大学に留学する筆者が、長い時間をかけて語彙を増やしたいときに大切にしたい「心構え」と、すぐに始めてみたい具体的なアクションを3つご紹介します。
目次
1.<心構え>今日出会った単語は、明日忘れていい
2.①:英語に接触する時間を、とにかく増やそう
3.②:出会った単語は、浅く調べてから「さようなら」してOK
4.③:調べるときは、書くよりも「聞く」「口に出す」で時間短縮しよう
1.<心構え>今日出会った単語は、明日忘れていい
今回1番お伝えしたいことは、これです。目的が試験対策でないのであれば、新しい単語に出会ったときに完璧に覚えようとする必要はない、ということです。
みなさんは「エビングハウスの忘却曲線」をご存じですか?新しく脳に入れた知識が、時間の経過と共にどう記憶から抜け落ちていくかを曲線で表したもの(下記)で、ドイツ人の心理学者が考案しました。
上のグラフを見ていただくとわかる通り、新しいことを記憶した20分後には58%だけが残り、1日後には33%が残り、6日後には1/4だけがとどまっている、ということがわかります。この理論から、ちまたでは「覚えた20分後や1時間後に復習する勉強法」が推奨されています。これは非常に有効な方法であることは間違いなく、私も特に短期集中の試験対策ではこの手法をとっていました。
しかし、何度もノートなどを使って復習する方法は、効果的な一方、負荷が高いことが弱点です。復習できるように単語をノートにまとめたり、単語帳を持ち歩いて何度も見返すなどの労力が必要です。日常的にずっと行うには、少しハードルが高い作業です。
実際私も過去、独学で学んだ英単語をずっとノートにまとめていて、定期的に復習しようと何度もトライしました。しかし、試験(例えばTOEICやIELTSなど)という目標がない時期は、どうしても腰が重くて、結局、棚にしまわれた大量のノートやプリントを見ながら復習できていない自分への罪悪感だけがつのりました。
言語学習には終わりがありません。一生、新しい単語や表現と出会い、吸収していくという長い長い学びの道のりが続いていきます。これを嫌にならずに楽しく続けていくにはどうしていけばよいのか——考えてたどり着いた結論が、「今日出会った単語は、明日忘れていい」という心構えでした。
先ほどのエビングハウスの忘却曲線に戻ります。このカーブを別の視点から見てみると、縦軸の値がゼロになるのは「かなり先」になりそうに見えませんか?(私の個人的な予想です。)例えば覚えてから4日目と7日目で比較すると、記憶の減少量はほとんど変わっていないことが分かります。
これをポジティブにとらえるなら——あくまで私の個人的な見解ですが——覚えたことが完全に(100%)頭から抜け落ちるには、相当の時間を要するということです。
だからこそ、こんな経験はありませんか?「前回出会ったのはいつか覚えていないけれど、この単語、1回見たことある」というあの感覚。
そして私の場合はこの感覚を得たとき、記憶が深く、深く頭に刻まれました。例えば、「いまBBCで聞こえてきた単語、そういえば前にオンラインレッスンで先生が使っていた表現だな」という調子です。あくまで私の場合ですが、過去の記憶が今と結びついたときが、深い記憶にインプットされる「大チャンス」だとわかりました。
この経験からお伝えしたいことは、新しい単語に出会っても、一生懸命復習しなくてもよい。ただし、後でその単語に「再び出会える」仕組みを作っておこう、ということです。次項からは、この仕組みを作るために明日から始められる具体的なアクションを3つ、ご紹介していきます。
2.①:英語に接触する時間を、とにかく増やそう
過去に出会った表現に、復習という能動的な労力をかけずに、自然な形で再会する確率を上げるにはどうすればよいか?答えは単純で、英語に接触する時間を増やしましょう。
接触方法は何でも構いません。ラジオ、動画、オンライン英会話、本、ネット記事、etc・・五感をフル活用して、とにかく英語に触れる時間を1分でも増やせるライフスタイルを目指しましょう。もちろん、現地に住めばこれが自然に実現できるわけで、だから海外に移り住んだ人はものすごいスピードで言語が流暢に話せるようになるんですね。
3.②:出会った単語は、浅く調べてから「さようなら」してOK
新しい単語に出会ったとき、具体的にはどんなアクションをとればよいでしょうか?私からの提案は以下です。
もし時間がないのなら、意味を調べなくてもよいので、単語を口に出してみてください(この場合、次に出会ったときは“前にもなんかこの単語聞いたことあるな・・・今度は調べてみようかな” という感じで過去の記憶とリンクされていきます)。
もし2分でも時間がとれるのであれば、その単語の意味をネットで調べてみましょう。
私の例をご紹介します。今朝起きると、WhatsAppでイギリス人の友人が「Now I just need to decipher it!!👼」 と発言しているのを見つけました。 decipher という単語は初めて知ったのですぐに検索して、「解読する」という意味であることを知りました。ふむふむ、と理解して、念のため辞書の画面をスクショし、そしてその単語とお別れしました(スクショは必須ではありませんが、ちょっとしたときに見返したい場合にはとても簡単でやりやすい方法です)。次に decipher という単語と出会うのはいつになるかわかりませんが、おそらくその時には単語の意味を忘れているでしょう。でもそれでよいのです。その時はまた意味を調べて、「ああそういえば解読する、という意味だった!」と過去の記憶が呼び起こされれば、今度は深い記憶に刻まれるのです。
4.③:調べるときは、書くよりも「聞く」「口に出す」で時間短縮しよう
新しく出会った表現を調べるときは、「聞く」「口に出す」というように口・耳をフル活用することをおすすめします。
具体的な方法をご紹介すると、例えばGoogle検索では、単語を調べると以下のような画面表示になり、黄色くハイライトとした箇所を押すと発音を確認できます。これで耳で発音を確認でき、その単語のことを少し印象強く記憶に残すことができます。さらに上級者の方は、Google検索をするときに「音声入力ボタン」を押して自分で単語を発音することで、検索窓に単語を自動入力してみましょう。発音が悪ければうまく入らないので、何度か発音しながら正しい発音が習得できるという、学びの多い検索方法です。
さて、今回は、ボキャブラリーを増やしたいときに大切にしたい「心構え」と、すぐに始めてみたい具体的なアクションを3つご紹介しました。ぜひ、一つでもよいので日々の学習で試してみてください。
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ぜひオンラインレッスンをはじめてみることを検討してみてはいかがでしょうか。